第53回 About C4DL コラム「稲毛ハウジングフェス」

今回は、千葉市稲毛区のN様邸「暮らしの音色」を紹介します。

今回紹介するN様邸は、とにかく広い!です。そしてただ広いだけでなく、この細長い土地に「音」をキーワードにしたアイテムがちりばめられていて、一般の住宅とは思えないような空間は圧巻です!
大手ハウスメーカー数社で設計をお願いしたそうですが、全く魅力が感じられず、どこに設計をお願いするか悩んでいたというN様。そんな時にC4DLに出会い、デザイナー後藤宏樹さんのデザインに魅せられ即決されたそうなんです!
後藤さんのデザインは、細長い土地の前の部分をご主人のスペース、中庭をはさんで後ろの部分を奥さまと4人のお嬢さんたちのスペースに分断するという、斬新なアイディア。

早速見ていきましょう!
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3つの素材のバランスが絶妙な外観
N様邸は駅の近くに位置しており、また近くに大きな神社もあって祭りなど行事のたびに通行人も多く、交通量も多いことから、道路に面した壁は「ヘーベルパワーボード」という高温高圧蒸気養生した軽量気泡コンクリート壁を使用。災害に強く、防音、防火、耐火性に優れている「ヘーベルパワーボード」を使用することで、頑丈で強固に守られている家をアピールする意図もあるという。

そしてヘーベルパワーボードだけでなく、シルバーのガルバリウム鋼板と赤レンガも使用。横から見ると、ヘーベル×赤レンガ×ガルバリウムのバランスが絶妙で、オリジナリティあふれる外観になっている。

  
ヘーベルパワーボードとシルバーのガルバリウム鋼板の間が赤いレンガに。

土地にあわせた間取り
玄関のある南側は道路に面し、北側にのびる縦長の形状の土地。家全体に風と光を届けるため、中庭を設けることにしたという。
  

中庭があることで、土地の真ん中に位置するリビングも光が入って明るい。吹き抜けで窓を大きくすることで、さらに開放的で明るい空間になっている。


中庭で建物を分断し、前方部分はご主人の棟、中庭を挟んで後方は奥さまとお嬢さんたち女性の棟という造り。
階段も玄関側のご主人の棟と奥の女性の棟それぞれ2カ所あるので、自由自在に行き来ができる。1階は中庭を眺めながら女性の棟につながる廊下があり、2階は建物内の廊下、もしくは中庭の上を空中廊下で渡るつくりになる。

   
一軒家にもかかわらず、旅館のはなれに向かうような、そんなワクワク感が味わえるのも後藤さんならではのデザイン。
 
↑1階から見た空中廊下


↑女性の棟からご主人の棟に向かって

この後藤さんの斬新なアイディアに、取締役の高橋邦生さんは最初心配だったそうだが、「これは面白い、いいですね」とN様が気に入ってくれた時には、ホッとしたそうだ。

高橋さん

「ご主人は家での仕事もあり、仕事で帰りも遅いことがあるというから、出入りのしやすい玄関側に居住空間を持ってきた方が使いやすいと思った」と後藤さん。生活スタイルにあわせた間取りを提案してくれるのがうれしい。
ご主人の書斎は、玄関の上に位置し、創作机があって落ち着いて仕事ができる空間になっている。
 

ガレージは、前後オープンできる仕様になっている。「土地が奥に広いから、何かあった場合でもすぐに非難や救助ができるように、ガレージも前後開放できるようにして、避難経路も確保している」という。ありとあらゆる事態を想定している後藤さんの設計に、また驚かされた。
 
↑後藤さん

ガレージを前後開放することで、風通しも抜群に。

歴史を大切にして継承していく
玄関を入るとすぐ右手には亀が。この亀は旧家から引き継がれたもので、N様から「どこかに飾りたい」との依頼があり、もともと使っていたい照明と組み合わせて玄関に配置。

亀をあえて玄関に置くことで、家は新しくなったが旧家があったこの土地の歴史を継承し、また家を守ってくれているように感じられる。この下の半円の部分は畳にして、靴を履くときやお客さんが座ったりできるようになる。

暖炉のある吹き抜けのリビング
先ほども紹介したが、中庭を見ながら奥へ進むと、暖炉がある吹き抜けの広々としたリビングが広がる。吹き抜けで気になるのが暖房効率。そこで後藤さんが提案したのは暖炉。
暖炉は近くを暖めるだけでなく、煙突につながるパイプの周りも暖かくなるため、家全体をほんわりちょうどよく暖めてくれるのだ。

 
暖炉を使うと灰が気になるが、リビングより一段下げた土間を設けることで、掃除もしやすく灰がリビングに入り込むことを防ぐ。ただ格好いいだけでなく、日頃の掃除のことまで考えてくれるのはさすが!と思った。

吹き抜けの壁はメンテナンスフリーのシナベニヤ、天井も杉板張りなので、手の届かない場所でも長く使えて安心。

2階の子どもスペースにはアイディアが随所に
2階にはまっすぐの廊下にそって4人姉妹の部屋が並んでいる。各部屋は、自分たちで選んだアクセントクロスが張られていて、4人4様。
吹き抜け部分には、天井から丸い照明がとりつけられ、優しい光が広がる。この照明は4姉妹にちなんで4つつけたという後藤さん。ちょっとした粋な計らいにほっこり。

  

部屋の前には造作の幅の広い机がある勉強スペース。姉妹同士で勉強を教えあったり、本を読んだり、こういう共有スペースはあったらうれしい大切な空間。
  
その隣には、壁一面の鏡がついた洗面が2つある。女の子4人いれば朝の支度に時間がかかりそうだが、これだけ広ければスムーズに支度もできそうだ。

 
2階の廊下にある広めのクローゼット内には、いずれ2世帯になるかもしれないことを想定して、キッチンやバスルームがスムーズに取り付けられるように、水道管を通している(壁の中。写真は施工途中)。先を見据えての工夫がなんともうれしい!

音が共有できる家
N様ご夫妻は音楽が好きで、ご主人はこだわりのオーディオを持ち、奥様はピアノを弾くと聞いたことから、「音」をテーマにデザインしたという後藤さん。「女性棟の1階はリビング、2階は子ども部屋だが、吹き抜けにすることで家族の気配が感じられ『音』が共有できるようにした」と話す。
この「木×レンガ」の造作棚に、N様のオーディオを設置し、リビングにはグランドピアノも置く予定だという。

室内の壁は「木×レンガ」を基調としている。「レンガの歴史は長くて普遍的なイメージ。赤は派手だけど、この広さがあればしっくりくると思って提案した」と後藤さん。(実際はメンテナンスや使いやすさのことを考慮してレンガ調の赤いタイルを使用)N様もこの組み合わせが気に入っているようだ。

中庭には私は初めて耳にした「水琴窟」という装飾が。「水琴窟」とは江戸時代に流行った粋な遊び心がつまった装飾で、地中に埋められた壺の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音が反響して優しく鳴り響くもの。近づくと、確かに水のささやくようなきれいな音が聞こえた。静かな夜には、リビングにも聞こえるほどだという。

吹き抜けを通じて聞こえる家族の音、リビングから聞こえるピアノや音楽、暖炉から聞こえる「ぱちぱち」という火の音、中庭の水琴窟から聞こえる水の優しい音、いろいろな音にあふれるN様邸。素敵な至福の時間が過ごせる家になること間違いないと思う邸宅だった。

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今まで見たことがないような空間が広がるN様邸、いかがでしたか。
「人間が生活する上で必要な火と水を、子どもにも身近に感じてもらい、水の流れや火の暖かさと怖さを知ることで、人生の豊かさにつながるという思いもあって、暖炉や水琴窟を取り入れた」と話す後藤さん。音をテーマにした家づくり、後藤さんのアイディアの引き出しの広さにまた驚いたN様邸でした。
C4DLのつくる家、今後もますます楽しみです!

株式会社フィット十津川でした。

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