第67回 About C4DL コラム「ハウジングフェス ポパイ&オリーブの家」PART1

7月16日~18日の3連休に開催された、浦安市で完成した「ポパイ&オリーブの家」のハウジングフェスに行ってきました。

もともと近くに住んでいたというSさまご家族。生活圏を変えず、お子さんの保育園も同じところに通いたかったとのことで、近くでずっと土地を探していたそうです。
近所で見つけた土地は、旗竿地(はたざおち)。設計デザイナー後藤宏樹さんの「いいんじゃない」の一言で、この土地の購入を決め、C4DLに設計をお願いすることになりました。

明るく周りを元気にしてくれる、まるでオリーブのような天真爛漫な奥さまと、そんな奥さまを優しく見守り、頼りがいのあるポパイのようなご主人であることから、後藤さんが「ポパイ&オリーブの家」と名付けたそうです。毎回のことながら、お施主さまの雰囲気をくみとってのネーミングに感心してしまいます。

早速紹介したいと思います。

旗竿地でも風通しのよいデザインに

道路に接している出入り口部分が細長くなっていて、その奥に敷地がある旗竿地。竿につけた旗のような形状をしていることから、旗竿地と呼ばれている。

旗竿地は四方を建物に囲まれているため、日当たりと風通しが気になるところ。
「どの方向から風が吹いて抜けるか、流れを念入りに確認しないと、コケだらけの家になってしまう」と後藤さん。雨もたまりやすいので、高低差をつけて道路に向かって流れるように設計したという。

2階リビングにすることで、明るいリビングを確保し、窓も適所に設け、風がすーっと抜ける空間に仕上がっている。

3種類の素材を使用したオリジナリティあふれる外壁

外壁はメンテナンスがしやすく、C4DLの標準スタイルであるガルバニウム鋼板。今回は新色のクールブラウンを採用。玄関ドア周りも標準スタイルのレッドシダー、その横の一部分には、奥さまご希望のグレーのサイディングになっている。この個性的なサイディングは、おぼろげな色ムラが特徴的な旭トステムOBOROシリーズのオボログレー。C4DLとしては初めて取り扱ったとのこと。要望に応えてくれるのはうれしい。

広々とした玄関ホールはゆとりのある空間

「広い玄関」にこだわる後藤さん。今回も限られた土地の中、玄関横にある主寝室をあえて少し狭くして、広い玄関ホールを確保した。

玄関ホールには奥さまご希望のシューズボックスを配置。浮いて設置するスタイルなので、下に靴をさっと置けるのがとても使い勝手がよさそうだ。
また、横から見ると、シューズボックスの幅と、玄関の土間の幅が同じサイズなのも、すっきりとした印象に。

また、土間を斜めにすることで玄関も広く使える。ちょっとしたことだが、こういうデザインはさすが!と思った。朝の忙しい時間も、広い空間の玄関なら気持ちよく出かけられそうだ。

手洗いスペース

玄関ホール奥には、手洗いスペースが。奥さまがセレクトしたライトと洗面ボール、壁にはC4DLのオフィスでも使用されているハニカム型のタイルを使用し、オリジナリティあふれる空間に。造作棚を組み合わせ、使い勝手もよさそうだ。

子ども部屋は先を考えた配置に

将来、子どもが増えたことを考えて、真ん中に壁を作れるようにドアも2つ設置している。しばらくは子どもと一緒に寝られる広い主寝室として使用し、ゆくゆくは個室に。成長に合わせて変えられる設計は、注文住宅ならでは!

 

2階リビングはこだわりのつまった空間

2階に上がると、まず一番に目を引くのは、キッチンカウンター下の青いタイルとキッチン奥の白いタイル、天井のブルーグレーの絶妙な色のバランスのキッチン。インパクトもあり、思わず「素敵!」と声が出た。

カウンター下と壁はタイル、天井は防炎素材のケイカル板と、それぞれ質が異なるものが使用され、タイルの貼り方も白のタイルは横、青のタイルは縦と異なるが、そのバランスがとてもよく、洗練されたかっこいい仕上がりに!

「2階に上がった時に一番に目に入る場所なので、ここはこだわった方がいい」という後藤さんのアドバイスのもと、奥さまはご自身でタイルのサンプルを多数取り寄せて選んだという。青いタイルは明るすぎない深い色をセレクト。

階段部分は、前回のコラムで紹介した「方舟の家」でも使用していた木製ルーバーのスタイル。「解放感があるだけでなく、陰影もでるんだよ」と後藤さんが話すように、リビングのアクセントにもなり、圧迫感もなくていい。

リビングは、天井の杉板を縦方向に貼ることで、広く見える工夫も。L字型のリビングダイニングなので、ソファスペースは壁に囲まれた「ヌック」スペースになっている。「ヌック」とは小ぢんまりとした居心地のいい空間のこと。

キッチンの気配を感じつつ、ほどよい距離間でゆっくり過ごせるヌック。「角の使い方をどうするかがポイント」と後藤さんが話すように、トイレやバスルームをキッチン側に配置することで、角のヌックスペースを実現させたデザインは、さすが!だと思った。

収納もたっぷりと

「隙間という隙間、すべて使った」と後藤さんが話すように、収納が豊富にあるのはとても便利だ。階段下もトイレの一部もすべて有効活用。階段下の収納には、コンセントがあるのもうれしい。

 

そして今回驚いたのが、コンセントをダイニングテーブルの下に設置しているとのこと。「コンセントの位置は大事で、社会情勢によって変わってくる。今はリビングでパソコンを使うことが多くなっているので、ダイニングテーブルの下にコンセントをつくることで、子どももコードに足をひっかけなくてすむよね」と後藤さん。情勢も見据えたアドバイスには、感心しきり。

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いかがでしたでしょうか。今回の「ポパイ&オリーブの家」も、かっこいいデザインだけでなく、あちこちにある収納や、テーブル下のコンセント、将来を見据えた子ども部屋など、お施主さま目線の生活しやすい設計になっていて、Sさまご家族が快適に楽しく過ごせること間違いなし!と思いました。

次回は、お施主さまのSさまご夫妻にお話を伺ったので、C4DLにお願いすることになった経緯や家が完成するまでのやりとりなどについて報告したいと思います。

株式会社フィット十津川有紀でした。

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