C4DLの「無知のままで家を建てるな! 思考を変えるデザイン住宅の勉強会」について、今回「会心の一撃! プランニング思考編」についてお伝えします。
会心の一撃! プランニング思考編
C4DLが大事にしている家づくりの4大要素「1.予算計画、2.土地の選定、3.家族の賛同、4.建築プラン」から、今回は「建築プラン」について話がありました。
今回の内容は下記の3つのコンテンツになることが説明された。
1、理想の間取りとは?
2、会心の一撃プランニング思考
3、実例~最強ドラマチック間取り~
理想の間取りとは?
高橋さんから「理想の間取りはどういったものですか?」との質問があった。夫婦で参加していた奥さんは「壁がないのが理想です」と話し、旦那さんは「できる限り広い空間がいい」と回答。広間をふすまなどで仕切っていたのが主流の日本家屋だったが、30~40年前からは次第に個室を作るようになったという。しかし、引きこもりなどの問題も浮上し、高橋さんは「現在リビングを中心に、1人になりたいときは1人になれる空間を用意する、というスタンスの間取りになってきています」と話す。
さらに、広い空間と言っても木造では限界があり、鉄骨なら可能になるとも。
「土地探しと一緒で、間取りにもこれまでの生活スタイルや価値観が反映されるので、理想の間取りは人それぞれになるんですね」と高橋さん。
建築会社の間取りに対する考え方
■建売住宅の間取り
↓ 建っている状態のものを買える
↓ 万人受けする一般的な、人気のある外観や間取りになる
↓ 無駄を省いた効率重視の内容になる
ファーストフード的感覚 安くて早くそれなりに満足感もある
■工務店の間取り
↓ 要望を叶える自由な間取り
↓ デザイン性は高くない
↓ 客の要望に言いなりな部分も散見され、後で不具合がでるケースもある
街の洋食屋的感覚 店によりこだわり、品質が違う。ひとつずつ丁寧に作りお客さまの要望に沿う
C4DLは工務店に近い位置にあるが、「デザイン性と付加価値」を標準仕様にしている。「お客さまの要望になるべく寄り添い、土地の性格にも寄り添って、ひとつひとつ丁寧に作らせていただくところが工務店との違い」と工務店との差異化を明確にもする。
■設計事務所の間取り
↓ 国家資格を持った建築士が設計。得意分野がそれぞれ違う
↓ ・構造が得意
↓ ・デザインが得意
↓ ・断熱などの性能が得意 etc. → 価値感が適しているかの見極めが必要
高級レストラン感覚 店によりこだわりが違う。時間がかかり費用が高い
■ハウスメーカーの間取り
↓ 注文住宅や自由設計をうたうところもあるが、基本は規格住宅
↓ 土地の環境や顧客の志向に合わせて基本モデルを選んでいく
↓ 営業が間取りの提案をすることが多い
高めのファミレス感覚 安定供給は叶うが融通は利きにくい
※プランニングで後悔する例
高橋さんは、建て売り住宅、自由設計で家を建てるということが、どういうことなのかを落とし込んでから選ぶことが大事だと話す。
<失敗例>
・自由設計で建築した例。広いリビングの中央に吹き抜けの階段を作ったが、テレビの置き場所が階段下になってしまい、2階への音の響きがストレスに。階段途中に蓋を作ることに。
・建て売りを購入した例。望み通りの立地には満足だったが、住み始めてから、狭さや収納などの点で不満が生じることに。
↓
注文住宅にすればよかったな・・・との声をよく聞く
「住宅計画は妥協の連続だ」 と設計デザイナーの後藤宏樹さん。高橋さんは「妥協するところを落とし込んで、ぜひプランニングに入っていただければ」と後悔しないポイントを話す。
改めて
あなたにとっての理想の間取りとは?
人によって価値観が違うので、話し合うことで改めてお互いの考え方の違いがあぶりだされてくる。そこで、お互いが主張しあうのではなく、間取りや住宅について十分話し合うことで、家族のための間取りができてくると思うとのこと。
会心の一撃プランニング思考
間取りは外にいるときから始まっている
設計プランを進めていくとき、一般的に平面図から取り掛かることが多いが、後藤さんは違うという。まず道路や敷地の状態を考慮し、窓の大きさや配置などパーツを考え、外観から作りこんでいくそうだ。そういったところから、外観は非常にC4らしさが表れるものになるという。「間取りは外にいるときから始まっている」というわけだ。
次に大事になるのが、中へのアプローチで、ゾーニング、コンセプト、ドラマ性。
■ゾーニングとは?
建物内部の区画割りのことで、プランニングの初期段階になる。C4DLはヒアリングを重視し、「まず雑談をしながらお客さまのかっこいいと感じる部分や快適性などの大事な要素を共有するところに時間と労力を費やしています」と高橋さん。
C4DLはお客さまとの話し合いを重視し、その内容を一旦持ち帰り咀嚼してから、ゾーニングプランを披露しているという。決してヒアリングしながらゾーニングを進めていくようなスタイルはとらないとのこと。
■コンセプトとは?
重きを置いている考えで、それが重要になる
・車を2台停めたい
・庭でバーベキューやプールなどができるようにしたい etc.
↓
どこを重視するのかを踏まえて、重要視する部分をすり合わせ、本格的にプランニングが始まっていく
■ドラマ性とは?
後藤さんは、いつでもその家族の生活を思い描き、動線を意識してプランニングしているという。「こう見えて、後藤はとてもドラマチックな男で、常にその家庭の生活のイメージを持ちながらプランニングしているんです」と高橋さん。そして、高橋さん曰く「動線をいかに充実させるかがプランニングの醍醐味」とのこと。
そこで、3つのドラマチックな間取りを紹介。
最強ドラマチック間取り
ケース1 イノセントハウス
こだわりをしっかり持っているというご夫婦に、お子さん2人の4人家族。塀外構がないのが特徴。古い町並みで塀の外構がしっかりある家が多いが、今は考え方が変わり、塀外構にお金をかけるより家にかけたほうがいいのではないかという考え方に変わり、最近はオープン外構が増えているという。 そして、オープン外構だからこそ、風通しと目隠しを叶えるルーバーや花ブロックを使い、家の作り方を工夫。北側に森がある土地だが借景を作ったり、バイクポーチは壁と天井がある場所に設定することで雨でも不便さがないようにしたり、回遊動線を取り入れるなど、随所に工夫が施されている。
ケース2 思いをつなぐ家
2世帯住宅で、親世帯が住んでいた土地で周辺の近所関係が出来上がっている場所。高台にあるので借景や庭を有効活用できるようにした。外(庭)と半外(ウッドデッキ)、半中(濡れ縁)を設けることで、庭を有効活用している。玄関を開けるとすぐキッチンになる作りだが、これまでの近所づきあい、関係性を考慮している。階段とキッチンの関係性もドラマチックで、奥さんがキッチンに立ち朝ご飯を作っているところに、旦那さんが起きて階段を降りるときにいい匂いが漂い、今日も1日がんばろうという気持ちになれる造りになっているとのこと。ほかにも窓の位置など、外との関係性が考慮された配慮がある。
ケース3 世代を紡ぐ家
高校生と大学生のいる4人家族で、利便性の高い場所になるので建物が密集している。当初南側に駐車場があったので、普通なら南面から太陽の光を取り込んで、と考えるところ、後藤さんはそうじゃなかたという。便利な場所だからいずれ家や高い建物が立つかもしれないと考えたという(実際現在建物が建ってしまったという)。奥さまから庭いじりをしたいという要望があったことも配慮し中庭を作り、水害リスクが高い土地であることも考慮し、1階にはリビングを置かないスタイルになった。生活の場はスキップフロアとして2階、3階に設けている。光は中庭を介してリビングなどに届けるプランニングになっている。
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いかがでしたでしょうか?
高橋さんは、「家づくりはたくさんのハードルはあるけれど、とても楽しいものです。楽しく過ごし続けるものなので、引き渡しは感動的です。生活が豊かになるお手伝いができればとの思いで日々精進しています」とあいさつされていました。
勉強会は個別オンライン勉強会という形式も検討しているとのことです!
12月上旬開催予定なのが、「C4 TOURS」です。お引き渡し後のオーナーさまの住まい(6軒予定)を見学するツアーがありますよ!
株式会社フィット 大西俊子でした。