東京ビッグサイトで4日間開催された、「第85回インターナショナル・ギフト・ショー春2018」。大西と十津川はC4デザインレーベル(以下C4DL)のブースへ2日目に行ってまいりました。その様子についてご報告いたします。
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東京ビッグサイト(東1・2・3ホール)で1月31日~2月3日に行われた「ギフト・ショー春2018」。ギフト・ショーに初参加のC4DLのブースは、東3ホールのLIFE STYLINGS通りに面した位置に存在。床から天井を配した立方体の空間に、今回のテーマ「あり得ない空間を実現する」こと、そして、「素材に敬意を払う」という世界観を表現していた。
普段は注目を集めることなく、「縁の下の力持ち」的な下地材として基礎を支えている素材を、あえて表舞台で使っている。狙いは、「固定概念を捨てること」「常識に縛られないこと」であり、こんな常識外れなことをお願いしては笑われるかもと、夢の実現を自ら阻止してしまわないようにしたいからだという。
ブース内のアイテムを見ていくと、「あり得ない」ものが何なのか、一見わからない。あまりにすべてがバランスよく格好のよい空間としてマッチングしているからだろう。
ひとつひとつを眺めてみると、天井材に使われているチェッカープレートは、小さな突起が隣り合う突起と、直角に配置された模様の床材料。ブース内に置かれている説明書きにもあるように、段差などを解消するために敷くものとしてよく目にしていることが思い出され、「あっ!普段は地面に敷く系のもの、階段などでよく目にしていたあれだ」と驚かされた。照明は、学校の体育館や工場などでよく使われているという、最近注目を集めている「リンツランプ」。
壁材は中に鉄筋が入り補強されたコンクリート板を使用。やはり普段は敷板として使われている素材になる。そしてただ配置するだけでなく、それをボルト止めし、かつビンテージ感を出すためになんとサラダオイルで加工しているのだ。さりげなく、絶妙な味わいを醸している。
床材は鉄板の種類を変えることで色味を変え、ヘリンボーン貼り(「矢羽貼り」で、ニシンの骨(herringbone)に由来した魚の骨を図案化した模様)でセット。磨いてから使用するのが本来の使われ方になる鉄だが、それを何の加工もしていない状態の「黒皮材」の黒をアクセントに、黒皮をむき磨いた銀色の「ミガキ材」との組み合わせで、スタイリッシュな印象の床面にしている。
そして初日も多くの人の注目を集めたのが、国内で新品はこの現物のみという、ハートランド製の「クックストーブ」。深いグリーンが鮮やかで、目を引く。「クックストーブの説明をすることで忙しくなってしまい、メーカーさんに来てもらって説明をしてもらうことにしました」と、C4DLの高橋邦生さん。建築デザイナー後藤宏樹さんには、ストーブじゃなく、ストーブがマッチする空間の魅力を伝えることに力を注ぐように言われたとのこと。
確かにストーブへの注目が高いことは現場にいるとよくわかった。しかし、バランスのとれた空間の説明をすると、バイク店でこの空間を使えないかなどの相談もあったというくらい、その空間としての利用価値が見い出されていったようだ。
自社でデザインしたテーブルとカウンターテーブルは、角材をボルト留めしているシンプルなつくりだが、特にテーブルはかなり重厚感がある。実はこのテーブル、初日は完成していなかったため代用品を置いていたが、完成品を見た際はその存在感に圧倒された。決して前にあったテーブルを否定するわけではないが・・・やはり目的があって作られそこに存在するものには、威厳や風格が宿るのかもしれない。
「暮らし デザイン 新時代」と名打っている今回の「ギフト・ショー」。「LIFE×DESINGN」史上最多の935社が出展し、次世代への提案を含めつつ、未来の暮らしが具現化された世界が広がっていたように思う。C4DLでも、今までの価値観を覆すチャレンジをしながら、新しい世界観を見出そうとしていた。今回高橋さんと話をしていて、高橋さんが「世界に一つだけの住まいをつくるお手伝いが必ずできます!」と誇らしげに話すのを聞いて、これからC4DLが作り上げていく新しい居住空間の世界に、ますます興味が湧いてきた。
株式会社フィット 大西でした。
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来週は、OAフロア施工での実績と経験を生かし、なぜ新たなジャンルである住宅やリノベーションの世界に飛び込むことになったのか、現在に至る経緯についてコラムします。ご期待ください。