今回は先週に引き続き、C4DLの高橋邦生さんにお話を伺い、石橋社長は語らずとも、日常から垣間見ることのできる社員や会社に対する思いをお伝えしていきたいと思います。
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船橋オフィスには、シーフォーデザインレーベル、C4ワークス、ホットストックジャパンの3社のスタッフがブースを分けて働いている。石橋社長は毎日船橋オフィスに来るわけではないが、ふらっと入ってきてさっと社内を見渡し、社員一人一人の表情を見て現状を察知したかのような鋭い質問を投げかけてくることがたびたびあるという。
そんな石橋社長が大切にしていることは「相手の立場に立って考える」ことだ。また高橋さんによると、相手の立場にすぐに立てる人なんだという。
高橋さんの業務の中で、単価を上げざるを得なくなった案件があり、取引先に石橋社長とその旨を伝えに行ったときのこと。石橋社長と高橋さんが並んで座り、向かい側には取引先の担当者という場面。一通りの挨拶が終わってすぐ、石橋社長がすっと席を立ち、取引先の担当者の横に座ったという。「場所を移動したので驚きながらも、担当者に説明をしていたら、なぜ値上げするんだ、何が原因なのか、納得できるまで説明して、と石橋社長に言われたんです」と高橋さん。動揺しながらも石橋社長の質問に答えていくうちに、担当者に値上げに関して納得してもらうことができ、無事に承諾してもらえたという。
面接の話もとても興味深い。高橋さんが面接官となり、入社希望者に対して面接を行っているときのこと。横で見ていた石橋社長が急に「はい、交代」と声をかけ、「応募者のあなたが面接官役、高橋が入社希望者役ね」と言ったので、高橋さんはもちろん応募者も驚きながらも逆の立場になって質問や答えを考えて面接を終えたという。そうすることで、自分は本当に何がしたいのか、そしてこの会社では何ができるのか、より深く考えさせられる時間になったようだ。
この意表を突いた石橋社長の行動に私も驚いたが、場所も相手側に移動して、まさに「相手の立場になって物事を考える」という姿勢が徹底されていると感じたエピソードだ。
2004年に立ち上げた同社は、現在は3つの子会社をもつほどに成長した。これだけの規模になったのは、石橋社長の「相手の立場になって物事を考える」という姿勢が徹底されているからなのではと感じた。その姿勢はお客さんに対してだけでなく、社員に対しても貫かれていると思う。
前回も触れたように「体を壊した職人に対しても働き続けられる場所を創出する」という思いがある中、「体が痛くなっても動く限りはやりたいし、新しい仕事なんていらない」と言う職人がいるようだが、信念をつらぬけば必ずその思いは伝わるのではないか。
現在は多くのプロジェクトを考案中で、将来的には「衣食住すべてをC4でそろえ、社会に貢献したい」という思いもあるそうだ。石橋社長の夢、機会があれば是非伺ってみたいものだ。
次回は、C4DLに新しく加わったスタッフの紹介をしたいと思います。どのような方なのか楽しみです。
株式会社フィット 十津川でした。