シーフォーデザインレーベルの設計・企画・デザインを手がける建築デザイナー後藤宏樹さん
後藤さんは、限られた予算の中で独創的なアイデアが散りばめられたデザイン性の高い家を提案している。
今回は後藤さんの家づくりに対する思いなどを伺った。
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高校時代から建築デザインに興味があったという建築デザイナーの後藤宏樹さん。都内の専門学校卒業後は栃木、
茨城の工務店やデザイン事務所で設計・企画・デザインから現場の確認まで、建築に関するすべてのシーンに携わり、20年以上の経験をもつ。
後藤さんは、現在の建築デザインの世界で主流とされるデザインや設計手法をベースとしながらも、
その中に独創的なアイデアを取り入れ、細部にまでデザインにこだわっている。
「奇抜だからいいのではなく、すべてのデザインは意味を持っています」と設計図面を指しながらひとつひとつに込めた思いを話す。
クライアントの家族構成や生活スタイル、動線などを把握するために打ち合わせを繰り返す。現場に足を運び、
土地の形状や立地条件なども調べ上げている。常に建築デザインのことを考え、とことんこだわり続ける。
何より自分の設計した図面に囲まれながら寝るのが一番の幸せという、そんな姿勢に周りのスタッフは驚きを隠せない。
「これでいいのだろうか」といつも疑問を持っているという後藤さん。「思考することは自由だからね」とほほ笑む姿には、ある種のカリスマ性を感じる。
日頃からアイデアのストックとしてさまざまな素材を調べ尽くし、その素材の魅力を最大限に生かす方法を考えて取り入れていく。
施工のしやすさ、デザイン性も重視しながら適正価格の素材を使用する。そうすることで、
高額と思われがちなデザイナーズハウスも建て売り住宅と同程度の価格で提供することができる。
「恰好がよくても扱いづらい素材では意味がなく、素材は良くても予算もある。メンテンナンスしやすい素材や設計にし、
かつ基準や耐震にも叶う範囲でいかにデザイン性を追求するか。常にそのぎりぎりの狭間でバランスをとっている」と後藤さん。
あらゆる角度から家づくりに取り組み、愛着をもって長く住める家を目指す。
「今までの経験を活かして、建て売りのように家に合わせて住むのではなく、住みたい家を提供したい。それが自分にとっての社会貢献だと思う」と意欲的に話した。
「集う」をコンセプトにした現在施工中のY邸。人気のキューブ型の建物をベースとしながらも、土地の形状に合わせてアレンジし、
住む人の動線を意識しながらあらゆる場所にドラマ性のある空間を創出するなど、後藤さんのアイデアが散りばめられている。
次回は実際の現場から、後藤さんが手がけた施工内容を紹介し、そのアイデアに迫ります!
株式会社フィット 十津川でした。