C4DLが今までどのような物件を手がけて、どういう家に仕上がっているのか、みなさんも一番興味があるかと思います。そこで今回は、約2年前のC4DL設立初期に手がけた、マンションのリノベーションについて紹介したいと思います。
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リノベーションをしたのは、船橋市夏見に位置する昭和48年築の5階建てのマンションの38.6㎡の一室。この物件のオーナーから、賃貸物件としてリノベーションしたいが、初期費用はできるだけ抑えてデザイン性の高い部屋にしてほしいという依頼があった。
まずデザイナーの後藤さんが最初に着目したのは、古い物件ではあるが、当時としてはモダンなマンションだったということ。その当時モダンだったであろう外観に敬意を表しながら、「ださかっこいい」をテーマとしてデザインすることに決めた。
初期費用をできるだけ抑えたいという依頼主の要望にそうために、作業はC4DLならではの連携で、OAフロアの職人やスタッフ総出で取りかかった。「人件費を抑えるためにできる限り内部でやったので、費用は抑えられるが時間はかかるということを理解してもらった上ですすめました」と高橋さん。
賃貸だからといって、ただきれいすればいいというのではなく、そこに住む人がより快適に暮らせる空間にしたいという依頼主の思いをくみ、そして賃貸だからこそメンテナンスが楽にできるように、デザインした。
最初に「床材」を見てみよう。マンションでは一般的に、ロールシート状のクッションフロアを使用するが、クッションフロアより単価が高い塩ビ(塩化ビニール)素材を使用した。塩ビの床材は、一般的には飲食店やオフィスなどで使用され、土足に対応できるほどの強度をもち、傷もつきにくく耐久性に優れている。塩ビの床材はタイル状のものがあり、今回の物件でもタイルのように組み合わせているので、例えば床の一部分に傷がついたり、汚れてしまったりした場合でも、その部分だけを取り換えることができるのだ。和室の畳は、樹脂素材の畳を使用し、単価は高くなるが耐久性にこだわった。
次に「壁」。壁は一般的には壁紙を使用するが、今回は調湿機能をもつ塗料で塗装した。壁の下地をきれいに仕上げるのに苦労したといういうが、一度塗装で仕上げてしまえば、今後のメンテンナンスが驚くほど楽になるという。キッチンの壁には、油汚れも簡単にふけるようにタイルを使用。白いタイルは部屋のアクセントにもなっている。
その他、ドアは手づくりのドアに水道管を取っ手に使用してちょっとした遊び心を取り入れたり、生活がしやすいように洗濯機の位置を移動したり、いかに快適に楽しく住める空間になるかを追求したリノベーションとなった。
今回のリノベーションでは、既存の砂天井や塗装、クロス、フローリング剥がしなど、下地処理にとても時間と労力がかかったという。しかし、妥協せず納得のいく形にするために時間をかけたからこそ、大きなものが得られたのだと思う。また、依頼主からも「大満足」という声を頂いたようで、依頼主の思い描くイメージの一歩、二歩以上先のものを提案できたのではと感じた。
築43年の古いマンションが、白いタイルの壁と茶系のモザイク調の床のバランスが良く、モダンでありつつ落ち着いた雰囲気の、まさに「ださかっこいい」空間となった。アイデア一つでここまで変えることができるC4DLのリノベーション。他の物件もますます見てみたくなった。
次回もC4DLが手がけたリノベーションを紹介したいと思います。
株式会社フィット 十津川でした。