今回は、C4DLが手がけた船橋市の5階建てアパート「ジョイム船橋」一室のリノベーションをご紹介します。
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タイ人のオーナーが賃貸物件として探していたもので、昭和48年築のアパート。相当古い物件にはなるが、お金をかけて新しいものを手にするのではなく、古いものをいかにきれいに使えるようにするか、そこをテーマにも掲げているC4DLにとっては腕の見せ所かもしれない。女性をターゲットに、間取りから変更することを考え、ホワイトカラーを基調にリノベーションが始まった。
まず、コンセプトを「フランスの風を感じるヴィンテージアパルトマン」とし、ダイニングキッチンと和室の仕切りの壁を取り払い、12畳の広々としたリビングダイニングキッチンにした。全体的に長く使われてきたような雰囲気を持った「フレンチシャビースタイル」を意識。床は使い込んだ板の風合いを感じるエンビタイルを使用している。
そして狭かった浴室とトイレスペースを広く確保するため、壁を取り払い一体とした。浴室とトイレの間の壁を取り払うのはかなり大変だったとのこと。そして建築デザイナー後藤宏樹さんの提案で、バスタブは猫脚バスを使用。そしてサブウェイタイルとハニカムパターンの全面タイル貼りにし、見違えるほどオシャレで落ち着いた空間を実現した。ハニカムパターンにはどうも新しい感と懐かしい感の共存があるようだ。
浴室はシャワーカーテンを使い、水はけには換気扇の使用が必須になり気使う点はあるが、そばにはテーブルも設置し、本を読みながら、お酒を飲みながらなどなど、毎日がフランス映画の一コマのような時間を楽しめること請け合いだろう。
もうひとつのチェックポイントとして、リノベーション前は洗濯機の置き場所が浴室しかなかったのだが、リノベーションにより洗面スペースのそばにもってくることが可能になった。こちらのスペースも白く塗装した木材を壁にしているので、白い洗面ポールともバランスよい空間になっている。
和室は大きく何かを変えたというものはないが、ホワイトカラーでの統一を軸に、壁やふすまを張り替え、照明をシャンデリアにすることで遊び心を添えている。テーブルや座布団はあえて色の濃い家具を使いアクセントに。照明といえば、ダイニングキッチンもシャンデリアでアクセントをつけている。
ただきれいにすればいいのではなく、古くてもいかにきれいに使えるかの挑戦をし続けているC4DL。今回のリノベーションのビフォーアフターを見て、そのセンスやアイデアによってはこうにも変えることができるのかと驚いた。古いものを壊すのではなく、生かしながら作り変えていく・・・もっと多くの事例を見たくなった。
株式会社フィット 大西でした。