様々なこだわりのアイテムがぎっしりと詰まっている、C4デザインレーベルのオフィス。入った瞬間「こういうオフィスで働いてみたい!仕事がはかどりそう!」と思うのは、私だけではないと思います。
今回はオフィスに潜入して、その魅力を紹介します。
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「見せるオフィス」をテーマに作られているC4デザインレーベルのオフィス。
C4デザインのロゴが書かれたドアを開けると、シャンデリアとステンレスで作られた社名の看板が出迎えてくれる。中2階の打ち合わせスペースを右手に見ながら、その横の細い通路を通り抜けると、天井が高く広々とした魅力あふれるオフィスが現れる。
真っ先に目に入るのは、打ち合わせスペースの大きなミーティングデスクだ。
重みのある板をつなぎ合わせた天板には、C4デザインの社名がプリントされており、かなりのインパクトがある。「ちょうどいい大きさのデスクがないなら、作ればいい」と建築デザイナー後藤さんのアイディアにより、社員で手づくりしたという。このデスクは、パインの集成材と点字として使用されている鋲が施されている。
重みがありながらも明るく大きな天板とそこに書かれた文字、そして銀の鋲という絶妙な組み合わせが、来社する人の目を惹く。実際にこのテーブルに惚れ込み、オリジナルのテーブルを作ってほしいとの注文もあるという。
壁は、オフィス内で圧倒的な存在感を示している「シダーシングル」と呼ばれる建材や、六角形でさりげない光沢感がありつつも落ち着いた色合いの「エザーゴ」というタイル、またシックな色合いが特徴の「ローランシア」というタイルを使用し、それぞれの面で違った魅力を楽しむことができる。
「シダーシングル」は海外では屋根材として利用されることが多いが、あえて室内で使用することで、木目の温かみを身近に味わうことができ、また、気温や湿度などによって木材の持つ経年変化も楽しめるという。
昔から使われているという「ローランシア」のタイルは、3種類の色のタイルを今流行のNYのブルックリン風にレンガのように貼ることで、味わい深く仕上がっている。
オフィス内の壁に着目するだけでも、様々な表情を楽しむことができ、飽きないくらいだ。
その他、照明やソファ、天井に取り付けられたファンも、すべてこだわりぬいたアイテムで、一つ一つについての話を聞くだけでも面白い。ファンは100年以上前から存在するアメリカ製のもの、照明は船舶用として昔から使用されていたマリンランプ、ソファはカリモク家具が製造開始した1960年から製造、販売しつづけてきたロングセラー商品。
「一つ一つに生産者の思いや歴史があり、そのものに対して尊敬できるものを使うようにしている」と後藤さん。確かに、長く愛され続けているものには味わいもあり、存在感もあり、愛着も増すものだとつくづくと感じさせられる。
オフィス内の素材やアイテムは、全く違う材質、色合い、風合いにもかかわらず、全体を見るとしっくりとして心地よく、温かみのある独特な雰囲気を醸し出している。
後藤さんの建築デザインに関する引き出しの多さには驚くばかりだが、ただ、多ければいいというものでもない。後藤さんはそれらをどう組み合わせて、どのタイミングで取り出すか、そこを絶妙にコントロールできるデザイナーだと改めて感じた。
後藤さんの生み出す世界観を感じることができる空間、C4デザインレーベルのオフィスに、機会があれば訪れてほしいと思う。
次回は、東京ビックサイトで1月31日から2月3日(2月3日のみ一般公開)に開催され、C4デザインレーベルも参加する「東京ギフト・ショー2018 LIFE×DESIGN」について、迫ります。
株式会社フィット 十津川でした。