第二十六回 About C4DL コラム「マンションリノベ2」

今回も引き続き、C4DLが手がけた東京都杉並区高円寺のマンション
「高円寺ニューナショナルコート」のリノベーションを紹介します。
オーナーはタイ人です。
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 タイ人のオーナーが、日本に旅館感覚で別荘として使える物件を探していた中で、高円寺にある物件を気に入り即日購入。
約40年近く前に建築されたマンションだが、古さを感じさせない当時としてはかなり洗練された物件だったという。
8階建ての5階部分で、延床面積48.39㎡の物件。

 コンセプトは「タイと日本の融合」。そしてより日本の「粋」を感じてもらいたいという想いのもとデザイナーの後藤宏樹さんがプランニング。
ポイントは2つ。リビングの壁の素材についてと、リビングに隣り合っている5.4帖の和室とキッチンの融合について。

 まず、リビングの壁について、ここは川辺をイメージして構想したという。
梁の部分の上部に麻柄と呼ばれる日本古来の模様のタイルを用い、下部には川面に見立てた、消臭抗菌効果もあるタイルを使っている。
柱にはネパールの和紙クロスも使い、タイ人のオーナーなのでリビング用のドアにはタイシルクをはめ込んだものを作るなど、
どことなく異国情緒を感じる仕上がりとなっているのはさすがだと思う。


 
そして、リビングと洋室について、壁を取り払い引き戸にし、個室感覚にも開放空間にもできる和室にした。
キッチンの向きを和室側へと変え、格子窓をつけることでアジアンなテイストをプラスし、キッチンで作業中でも和室の様子、
さらには外の景色も見渡せるようにした。その格子窓の上部には、室内にも関わらず外構ブロックの「青海波」(せいがいは)を大胆にも使用。
絶えず繰り返される穏やかな波を幾何学模様「吉祥文様」で表現しているブロックで、平穏な暮らしがいつまでも続きますように!

という願いが込められている。下部は収納スペースにし、そのスペースの床材には塩ビ(塩化ビニール)タイルを使用しているが、
「どこからこういう素材を見つけてくるのだろうと思うくらい、後藤のセレクトには意表を突かれる」と取締役の高橋邦生さんは話すが、さりげない「粋」なあしらいが目を引く。

 今回のマンションのリノベーションのポイントは上記の2つにしぼり、ほかの部屋については、
クロスの張り替えや収納が少ないので収納スペースを作る程度におさえた。こだわる部分にはとことんこだわり、
そうではない部分は必要最小限に。そしてきちんと予算内に収めてくれる。
後藤さんが手がけたリノベーションにオーナー自身大満足で、もちろん家族にも好評とのことだ。

次回もC4DLのリノベーションについて紹介したいと思います。
株式会社フィット 大西でした。

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