第74回 About C4DL コラム「ハウジングフェス オアシスのある棲み家」

今回は、印西市に完成した「オアシスのある棲み家」を紹介します。2月11日~13日にハウジングフェスが行われました。

こちらはK様ご夫妻の家。学生時代のご友人らと、「みんなで一緒なら東京を離れて印西でも暮らせるよね」と、一緒に引っ越しをすることになったそうです。3区画並んで土地を購入し、K様邸は一番奥に位置しています。
建築条件はついていなかったものの、土地を購入した際に提携している工務店があり、K様以外の2組は工務店で家を建てました。K様は工務店にも相談はしましたが、シーフォーデザインレーベル(以下、C4DL)で家を建てることに決めたそうです。決め手が気になりますね。
それにしても、3組一緒に引っ越しをして並んで家を建てるほど仲がいい友人がいるとは、うらやましい限りです。

「友人らが集う『オアシス』のような場所になるように」との思いを込めて、建築デザイナー後藤宏樹さんが「オアシスのある棲み家」とネーミングしました。
早速拝見しましょう。


C4DLに決めた理由

ウッドブラインドメーカーに勤務するK様のご主人。「ネオサーフスタイルの家」(第51回About C4DLコラム「幕張本郷ハウジングフェス」)のブラインドに関わった縁で、C4DLを知ったとのこと。C4DLだけでなく、友人宅と同様の工務店と他のデザイン事務所にも相談した。

最終的にどこに依頼するか悩んだ結果、決め手は「高橋さんと後藤さんの人柄」とK様。気持ちよく家づくりを進めるためには、予算の面だけでなく、どういう人と作り上げていくのかが施主としては大事なこと。住宅プランナーの高橋邦生さんは「お客さんのためになっているか、お客さんに向かったベクトルになっているか」を常々意識し、設計デザイナーの後藤さんは「幸せになる家、豊かに暮らせる家」をこれまで提案している。「K様に合った、よりよく豊かな暮らしが送れる家をつくりたい!」という2人の熱い想いが伝わり、K様はC4DLに決めたのだと思った。

花ブロック×ウッドパネル×ガルバリウムの相性抜群の外観

3軒の中で、一番奥に位置するK様邸。外壁は、ネオホワイトのガルバリウム鋼板をメインに、レッドシダーのウッドパネルと玄関には花ブロックも。花ブロックは沖縄の建物の外壁に使われている石で、後藤さんのデザインで度々登場している。夕方になると花ブロックから光が差し込み、とても美しい影を作り出す。

庭側から見た外観。柱の一部にウッドパネルを使い、マットブラックのガルバリウム鋼板と組み合わせることで、カフェのようなオシャレな雰囲気になっている。

外のような中のようなリビング

玄関の扉を開けると、家の中のような外のような明るい空間が飛び込んでくる!

よく見ると、玄関ホールにある窓の奥に見える空間がリビングの一部の土間。さらに奥の窓の外が庭。玄関、玄関ホール、土間、タイルデッキの4つのグラデーションにしたという後藤さん。

開放的な印象を与えるために、玄関ホールにあえてガラス窓を採用してリビングが見えるデザインに。玄関から上がって窓を開けて下がると土間、さらに土間の奥の窓を開けると庭につながる。「上がったり下がったり。玄関ホールが飛び石のイメージでおもしろいでしょ」と後藤さん。

もともと土間がほしかったというK様。「一般的な玄関にある土間を想像していましたが、リビングにつながる土間のデザインを見た時は、びっくりしました」と話す。限られた面積の中で、機能性と遊び心がつまった空間になっていて、後藤さんの発想の豊かさに驚くばかり。
いずれK様のご実家の犬を飼うかもしれないということで、「玄関を開けた時に、窓の向こうから犬が出迎えてくる様子を想像すると楽しみ」とほほ笑む。

リビングと土間には段差があるので、そこに座ってくつろぐことも。隣に住む友人らも早速来ていて、まさに「オアシス」のような状態になっていた。
土間スペースの壁は、外の外壁と同じウッドパネルを使用。外と中のウッドパネルがつながっているように施工しているので、リビングが中のような外のような不思議な感覚になっておもしろい。木の匂いも心地いい。

こだわりのつまったキッチン

キッチンカウンターにはかわいいフォルムのペンダントライトが。家電グラフィックデザインの仕事に携わっているK様がセレクトしたこのライトは、白のタイルとの相性抜群でセンスの良さがうかがえる。
K様はタイルの貼り方にこだわりがあり、互い違いに貼るのではなく、まっすぐ一直線に貼る「芋貼り」スタイルに。タイルとタイルの間の目地の幅も「なるべく狭く」という要望があったという。

また、カウンター下の巾木とグレーの壁面との段差、「散り(ちり)」の厚みにもこだわりがあり、可能な限り薄く施工し、5㎜になっている。こういった細かなこだわりにも真摯に対応してくれるのが、C4DLならでは。

キッチンからの景色にもこだわったというK様。明るいリビングが見渡せ、その先には庭が見える。「キッチンに立っても孤立感がなく、みんなの雰囲気を感じ取れる」と満足していた。

2階には寝室や納戸も

2階の廊下は黄色から白色の中間に近い温白色(おんぱくしょく)の灯り。K様は暗いのが苦手なことからこの色を選択したという。

2階の各部屋は好きな壁紙に。

ご両親がいずれ住むことを想定して、布団も収納できるように収納アドバイザーがデザインした納戸も。C4DLが提携している片付け・収納・インテリアのプロフェッショナル「株式会社アンジェ・リュクス」がプロの視点で収納に関することなら何でも相談できるのは心強い。

生活を考えた床面の高さを提案

リビングから土間を通り、窓を開けるとタイルデッキにつながる。タイルデッキからは2段で庭に出られる。「ウッドデッキにすると高い位置になるので、この家の場合はすぐに庭に出られる方がいいよね」と後藤さん。庭への出やすさも住む人に合わせて考えているという後藤さんの言葉に驚いたとともに、住む人のことを第一に考えてくれるのはうれしい。

「こういう家からはこういう人が出てくるだろうな、と思うような家づくりをしている」と後藤さんが話すように、K様の雰囲気にぴったりの「オアシスのある棲み家」。
夏には庭の天然芝も育ち、友人や親戚が集まって楽しくBBQをしたりしている様子が目に浮かんだ。

(左から)高橋さん、K様、後藤さん


「オアシスのある棲み家」、いかがでしたでしょうか。取材している間も、友人らが自然に集まってきて土間のところに座って楽しく語らっているのが印象的でした。外のような中にある土間をどんな風に使っていくのか、とても楽しみです。

3月4、5、6日には、八千代市でハウジングフェスが行われます。今回のテーマは「ActiveFamilyHouse」。どんなアイデアがつまった家なのか気になりますね。
完全予約制になっていますので、ご興味のある方は是非訪れてみてくださいね。

株式会社フィット 十津川有紀でした。

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